マストドンはニッチでスモールなインスタンスでこそ真価を発揮する

マストドンの設計思想

マストドンの設計思想で特徴的なのは分散型サーバである点です。Twitterに代表されるような中央集権的な(一社がすべてのリソースを握る)サービスに対する反骨精神というか反発が設計思想に現れています。例えばTwitterのような大規模商業プラットフォームは、投稿のルールからリソースの保管まで一社に委ねられていますね。Twitterこそがルールブックであり、利用者はそのTwitterの用意したルールのなかでしか活動できませんし、Twitterの配信する広告も甘んじて享受するしかありません。こうした一社寡占状態にそれっていけてないよね、と反旗を翻したのがマストドンであるという理解です。

Mastodon is a free, open-source social network server. A decentralized solution to commercial platforms, it avoids the risks of a single company monopolizing your communication. Anyone can run Mastodon and participate in the social network seamlessly.

https://github.com/tootsuite/mastodon/blob/master/README.md

日本のインスタンスは人が偏りすぎている

一方で最近のマストドンのブームのなかで、一箇所のインスタンスにユーザが集まりすぎている状態になっているのではないかとも思えます。2017/04/24現在日本最大のインスタンスであるmstdn.jpはユーザ数85000人超えですし、次点のpawoo.netも80000人を超えています。ユーザ単位がここまで大きくなってくると個人での運用は難しいですし、求められるサーバスペックも高くなり運用コストも高くなります。実際mstdn.jpはドワンゴ社の管理下に入りましたよね。A decentralized solution to commercial platformsと標榜されているものの、結局大資本の運営するインスタンスに収斂されてしまうというあんまり面白くない皮肉状態になってしまっています。結局ユーザとしては広告のない、Twitterライクなコミュニティサービスならなんでもいいということなのかもしれませんが、本来的な意味で言うとプラットフォームの運営母体がTwitterから他の会社に移っただけという見方もできます。ドワンゴ社なども慈善事業でインスタンスを運営しているわけではないでしょうから、そのうち広告の配信も始まることでしょう。するとどうでしょう、今日のTwitterと同じようなコミュニティプラットフォームのできあがりです。

ニッチでスモールなインスタンスが今後の鍵か

ではどういう使われ方がインスタンス管理者、ユーザ双方にとって幸せなのでしょうか。私が考えるにそれは極限までニッチ化されたインスタンスを作ること、に尽きると思います。Twitterは有象無象、玉石混交の情報の宝庫であることは事実ですが、自分が本当に欲しい情報にアクセスするには多少の手間とリテラシーが必要になってきます。基本的にTwitterは人物ベースで繋がることが前提となるサービスなので、自分の趣味趣向から乖離した情報もタイムラインに流れてくることもあるでしょう。そうした「無駄」な情報に極力触れないためという意味でも、自分の属性、趣向ベースのマストドンインスタンスに属することは理にかなっているといえます。もちろん人物ベースのコミュニケーションに重きを置いている人はFacebookなりLinkedInなり既存のSNSを使えばいいだけですね。

こうしたスモールでクローズなコミュニティってなんだか既視感があると思いませんか?そう、あり日のmixiコミュニティであり2chのスレッドです。いずれもインタレストベースのコミュニティプラットフォームですね。そう考えるとマストドンのスモールインスタンスはmixiや2chのいいとこ取りをしたTwitterライクなコミュニケーションプラットフォームという見方ができませんか。

マストドンのマネタイズについて

またマストドンのマネタイズは難しいよね、という意見をたまにみかけます。マネタイズというのはコストと売上のバランスですから、Twitterのように大規模プラットフォームになってくるとなかなか難しいのでしょう。一方で参加者属性の偏った特定分野のマストドンインスタンスはどうでしょう。サーバ運用費は若干かかるものの、最初から属性が絞り切れているプラットフォームですので、広告投下やその他投稿データの二次利用が容易かと思います。無論、タイムラインに対する広告配信は賛否ありますのでその辺の判断は管理者に委ねるとして、純度の高い情報がいかほどの価値を生むかについてはいうまでもないでしょう。

今後どのようにスケールしていくのでしょう

分散型ネットワークというのは時として大きな力を発揮します。学生のときに読んだアルバート・ラズロ・バラバシの新ネットワーク思考という本はネットワークの強さを表した良書なので個人的におすすめですので興味のある方は見てみると良いですよ。
https://www.amazon.co.jp/dp/4140807431

マストドンもネットワークベースのプラットフォームという意味では大きな可能性を孕んでいるので今後に注目です。現在はネット界隈のアーリーアダプターの遊び場になってしまっている感がありますが、どの地点でブレイクするかわかりません。今後に注視しましょう。

最後に

グンマストドンという群馬県民にフォーカスしたインスタンスをやってます。県民/元県民の方は遊びにきてね。
https://gunmastodon.com

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